2010年2月10日
ロマネスク建築
ロマネスク建築は、11世紀にザクセン朝神聖ローマ帝国によって西ヨーロッパの秩序が回復した後、フランス、スペイン北部、ドイツ、イングランド、イタリアと、これらに囲まれた地域で形成された建築である。東ヨーロッパなどの周辺部については、わずかながらロマネスク建築の特徴を持った教会堂が点在するが、本質的には西ヨーロッパで興った建築である。
ロマネスク建築の初期の発展については、カロリング朝フランク王国の時代を通じて組織化された中世キリスト教会、特に11世紀に西ヨーロッパの学問と文化を主導する役割を担っていた修道院の活動によるところが大きい。ロマネスクの時代、修道院運動は全盛期を迎えており、11世紀に設立されたクリュニー修道院と12世紀創設のシトー会の活動は、ロマネスク建築の発展に特に関連づけられる。12世紀後半になると、教会改革によって修道院の活動はより厳格なものとなり、修道院建築は簡素なものとなるが、神聖ローマ帝国の権力が解体されたことによる地方封主の勢力拡大とヨーロッパ全体の農業と産業の発展にともなって、世俗の支援者たちによる拠点都市への大教会堂の建設が行われるようになった。このため地域的な差異がたいへん大きくなり、イベリア半島やイタリア半島南部では、イスラーム芸術が入り交じった独特の建築(シチリア王国の建築や、アンダルシアのムデハル様式)を形成し、12世紀後期のイル=ド=フランスは、すでにゴシック建築と呼べる段階に移行している。
ロマネスク建築初期の特徴は大きくフランスのロワール川の南北で分けることができる。ロワール川以北では、初期ビザンティン建築と同様に、教会堂の形式としてバシリカが採用されたが、角柱に支持された分厚い石の壁で覆われた空間が好まれ、美学的には側廊と身廊を円柱でスクリーンのように分離し、壁面をモザイクとして物質性を否定するような初期キリスト教のバシリカとの関係性はほとんどないと言える。ロワール川以南では、ヴォールト天井を備えた単廊式教会堂が多く建設され、後に広間式教会堂と呼ばれる形式が発展した。バシリカと単廊式ともに、カロリング朝の時代から建設されており、建築史家によっては、8世紀から9世紀のカロリング朝建築をロマネスク建築に含める場合がある。11世紀以降をロマネスクとする説では、それ以前のものを初期キリスト教建築、またはプレ・ロマネスク建築などと呼ぶ。
ロマネスクという言葉は19世紀から用いられるようになったが、19世紀の人々がどのように考えたにせよ、「ローマ風」の言葉が意味するほど、古代ローマの建築物と深いつながりがあるわけではない。ロマネスク建築は、ゲルマン民族の侵入によってローマ文化が途絶えてしまった地域で盛んになったのであり、初期の段階では、先行する建築物や同時期の他文明からの影響はほとんど認められない。
『ウィキペディア(Wikipedia)』引用
ザンクト・ツァリアクス聖堂などもロマネスク建築に含まれます。
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